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詩人を紹介するには詩をもってするのが一番!ミショーの海の詩を訳してみます

Photo by Luis Quintero from Pexels
ミショーは19世期の最後の年である1899年に生まれ、1984年に没したベルギーの詩人。
ベルギーはフランス語とフラマン語(オランダ語に近い)、そしてドイツ語が公用語ですが、ミショーはフランス語の詩人です。
詩人を語るには、詩を紹介するのが一番でしょう。
例えば「風」le vent という詩の前半をちょっと訳してみましょう。
風が波を海から引き剥がそうとする。が、波は海にしがみつく、当然さ、そして風は吹くことに固執する‥いや、固執などしていない、嵐や疾風となる時ですら、そんなことに固執してはいない。風は盲目的に、狂気のように、気が違ったように、完璧な静けさの中へ、凪の中へ、行こうとしているのさ、そこでようやく落ち着けるから、落ち着くことができるから。
この「風」とはなんと矛盾した存在でしょう!
「風」とは誰でしょうか?
たぶん、詩人自身のことですね。